46. 梅雨入り済し崩し

粗方のメディアがやっとのこって遅きに失した梅雨入りを報ずる頃にゃ偶の雨なら乙だてぇ窓外の景色なれども、こうも打ち続きゃぁ飽きちまわぁてな具合の、此処暫くはお天道様ぁ拝んぢゃいねぇはなまるだぁ。

降る時に降ってくれりゃぁ良いもんを、降らなくったって好い時に愚図愚図と降りゃぁがるもんだから、これから伸びようてぇ作物だてぇ遣る気ぃ失っちまゎぁ腕っ扱きの年季の入ぇったお百姓が面倒みた処で如何にもならねぇ発育不良で、店頭での買い物客も愚図愚図となりゃぁ、景気の好いなぁ値札の値付けの数字だけだぁね！

はなまるとて部屋ぁ閉じ込められての愚図愚図で、例え番傘に長靴ぅ履いて降り頻る雨とて自然の内の愛でるべしてぇ気取ってみぃの出掛けてみたって、こう毎日降り続いちゃぁ風邪だてぇ引き兼ねねぇ、てぇか泥だらけのはなまるに辟易スモモのお散歩禁止令が発布されちゃぁ、陽気同様はままる迄ぇ塩梅ぇ悪くなっちまうってもんさ。