

天高く馬肥ゆる秋てなぁ誠に見渡す限りぃ垂れたお頭の稔りも豊かな黄金色で織り込んだ絨毯に一面敷き詰められた景観に散策の歩も緩んで、序でにお口元まで弛んできちまうねぇ!


手前ぇが育てた訳でも無ぇのに何でこんな嬉しくなっちまぅんだろぅ、不思議なもんだね、なんてぇ考え乍歩いてるてぇと、不図数十の刈り株が目に入ぇったと思っちくんねぇ。


機械化の御時世ぢゃぁあるが、スッと端から綺麗に刈り取れるもんでもあるめぇ、自動刈取り機の最低限の入り口でも拵えたんだろぉなぁ…
は!もしかして…てなもんだ。


お百姓さん達、味見!?
ズルイや、ズルイや!
…ていや、全くズルかぁ無ぇんだがね。


一旦想い付いたらいけねぇや、そーとしか思えなくなっちまって、もー頭ン中は新米で一杯だぁ。
お櫃の蓋ぁ開けりゃぁ勢い良く立ち昇る湯気越しに姿ぁ現す炊立ての飯に、器にテンコ盛りの丼飯に、塩っ気のたっぷり効いてそーな海苔とのコントラストも鮮やかな握り飯!
暫かぁ逍遥も忘れて佇立する口元からぁたっぷりの涎ぇ垂らしてたはなまるさんってことよ。